「シンプルな料理しか作れないんだけどね……さ、晴菜、食べてみて?」
「はい……あの、名前を教えて貰っていいですか?」

「あぁ、そういえばまだ言ってなかったかしら?」
「はぃ、かなりの勢いで」
「それはごめんなさい、アリスよ、改めてよろしくね、晴菜」
「こちらこそ、よろしくお願いします・・・・じゃあいただきます」
あっっっ!!ここは多分地球じゃないよね、食べ物って大丈夫なのかな?
見た目は・・・・フランス料理?
そんな類の料理を食べたことのない私に分かることは一つだけ…。

和食じゃないのは確かって事だけどね。

まぁ、見た目は綺麗だし、おいしそうだから、大丈夫って事で、、、

ゴクリ・・・

「おいしい・・・」
「本当に?ちょっと焦がしちゃったのよ?」
「そんなことないです、美味しいですよ」
「よかった、人に食べてもらうことってなかったから心配だったのよ」
「一人で暮らしてるんですか?」
「えぇ、そうよ。あっ、焼けたみたい、ちょっととってくるわ」

そう言うとアリスさんはキッチンの方へと消えていった。
確かに部屋の内装を見ると一人暮らしほどの家具しか置いてなく、どこか寂しい気がした。

「お待たせ、こっちも食べてみてね、自信作よ」
「はい、いただきます」

そういいながらアリスさんはキッチンからまた新しい料理を持ってきた。
今度のはどちらかと言えばグラタンに近いような、感じがした。

「あっ、今度は本当に美味しいです!」
「本当ってことは、さっきのは……」

あっ!!やっちゃった!!

「いえいえいえいえいえ、さっきのも美味しかったですよ、、、、ちょっと焦げてた部分が苦かったですけど…」
「そういうのは別に正直に言ってもらって構わないのよ、晴菜」
「す、すす、すみません。今度からがんばります。」
「別に、いいのよ。さっ、冷めないうちに食べましょ」

そう言うとアリスさんはにっこり笑って自分もご飯を食べ始めた。