目を覚ましたとき、今度はベッドの上にいた。 (……また移動しちゃってるよ……まあ森の中よりはマシだけどさ) 体を起こすと周りに広がる部屋の風景はどこにでもありそうな一般家庭の寝室だった。 「どうやら天国に来たようではなさそうね。」 私はどうしてこんなベッドに寝ているのだろう? 確か森で何かに追いかけられてたんだっけ? チーター?だったかなぁ?? でも確か角があったはず・・・・・ それでこけちゃって、、、、、 そのままあそこで力尽きて寝ちゃったんだ・・・・、、、 それが何でこんなベッド? まぁ生きていられただけ命のもうけものかな?? 「これからどうしよ??」 「しばらくなら居ていいわよ」 「へ??」 いきなり声がしたのでそちらの方向へ顔を向けるといつの間にか自分と同い年、、、(もしくは少し上かも・・・・。)位の女の人が立っていた。 「あんまり驚かないのね?」 「えっ、まぁ、なんかなれました?」 「そうなんだ?体はもう大丈夫なの?」 「えっ、はい。多分。どこも痛まないし、、、」 「痛まないから、大丈夫ってことは無いのよ。はい、これ薬。一思いに飲み干しちゃって。」 「ありがとうございます・・・。」 そう言って女の人から薬といわれたコップを受け取ると言われたように一気に飲み干した・・・。 「うぅ〜〜〜、マズイぃ、、」 「薬なんだから我慢しなさい。」 「はいぃ」 「で、何であんなところに倒れてたの??」 「あんなところって?森の中ですか?」 「森の中・・・・?あなたが倒れてたのは入り口よ、森の。」 「えっ、、私は、確か森の中で、、、」 「とにかくあの森は普段は誰も近づかないのよ。私が偶然通らなかったらあなた、あのまま死んでたわよ。」 「はぁ、ありがとうございます。」 「事情は話せるの?」 女の人の青い瞳が情けや同情の色は少しも無く、心配そうな色で覗き込んでくる。 その目に見つめられているとなんだか言葉がうまく出てこなかった。 「えっと、その。なんていったらいいか・・・・。」 「無理に話さなくていいのよ、迷惑だったらごめんなさいね。」 「そんな、迷惑だなんて・・・・」 「もう少しゆっくりしているといいわ、私は少し出かけてくる。」 「はぃ、いってらっしゃい。」 「出て行きたかったら、出て行くといいわ、この部屋を出て、右に曲がってまっすぐ行けば外よ。」 「そんな、お世話になっといてそれはできませんよ。」 「そう?じゃあせめて名前を教えてもらえるかしら??」 「私は、晴菜です、美咲 晴菜。」 「そう、いい名前ね晴菜。じゃあゆっくり休んでなさい。」 そう言うと、女の人は部屋を出て行った・・・・・・。