ネレウスがアリスさんに対する誤解を解いた後、とにかくアルさんが泊まっている宿に案内してもらうことになった。
ご飯はさっきのお店で食べたし、アリスさんも元の状態に戻っている。
ひとつ気になる事は・・・・
ネレウスが疲れきった表情をしてる事かな?
まぁ、さっきので相当精神力をつかったんだろうけどね、まぁネレウスのあんな顔めったに見られないのでアルさんには感謝、感謝♪

「ところでぇ〜先輩ぃ、何でこんな所にいるんですかぁ?」

アルさんがネレウスに質問を問いかける。
でもこれもう五回目なんだよね…。
アルさん相当酔ってるね、足もとが危なっかしいよ。
今だってネレウスに支えられなんとか歩いている状態だもんね〜。

「お前、それ五回目だぞ、少し酔い過ぎだぞ」
「あれ?そうでしたっけぇぇ?忘れたからもう一度おねがいしますよぉ〜」
「宿に着いたら話してやる、方向はあってんだろうな?」
「そんなぁ、先輩、僕を疑うんですかぁ〜?」
「いや、少し不安だったんだよ…。あの建物か?」
「あれです〜あれです〜」
「ねぇ?ネレウス?あってるの?今のアルさん信じがたいんだけど?」

私は心配になって問いかける。
今のアルさんを見る限り、まともに宿なんて覚えてなさそう。

「晴菜ちゃんヒドイなぁぁ、僕を信用しよう…」
「ゴメンナサイデキマセン」
「ぇえ!!即答!?」

自分でもすごい速さで断ったことに驚いている中アルさんはネレウスに寄りかかって泣いてる。
全く、この人ってのが私には理解できないよ。

「せんぱぁぁぁい!つきましたぁぁぁぁ!」
「はいはい、わかったから大声出すなって、ここで会ってるんだな」
「ここですよぉ〜、宿に着いたからには話してもらいますよぉぉぉ〜、ドロドロの晴菜ちゃんの隠し子事情ぅぅう──ごぶへっ!」

あっ。また殴られた、懲りないなぁ、アルさんも、この何時間かで何回目だろう?

「痛いですぅ〜、せんぱぃぃ」
「こんな所でそんな事を大声で言うからだ!」
「冗談ですってぇ〜、ちゃんと話してくださいよぉ」

二人はそう言いながら倒れ込むように宿の中に入って行った。